もし離婚することが決まったら、その際の条件を必ず書面で作成しておくこととをオスス
メします。
口頭での約束では、後に「言った言わない」でトラブルになる可能性が高いです。
書面にし、お互いが署名押印すれば、証拠能力は高まり、「言った言わない」というトラブ
ルは避けられるでしょう。しかし実際に支払いが滞ったときには、その証拠を持って裁判
をしなければなりません。証拠があるので請求は認められるでしょうが、膨大な時間と手
間と費用がかかります。
そこで、ただの書面ではなく、「公正証書」を作成することによって、証拠能力が更に高
まり、養育費等の未払いの発生を抑止することになります。
また、万一トラブルとなってしまった場合でも、公正証書には高い証拠能力があり執行
力がありますので、裁判の判決を経ることなく、強制執行により未払い養育費等を回収
することが可能です。
この執行力が公正証書の最大のメリットです。
離婚時に、夫から子ども2人分の養育費として成人まで毎月5万円の支払いを約束した
以下の3人の例を参考にしてください。
あなたならどうしますか?
① とにかく早く別れたかったし、元々は真面目で子煩悩な
夫だったので、絶対に子どもが成人するまでは養育費を
支払うという口約束だけで安心して離婚届を提出しまし
た。
② 離婚後、数ヶ月で養育費の振込みがなくなりました。
③ 電話をすると、「自分の生活もあるからもう養育費は払
えない!」ときっぱり言われました。新しい女性との生
活を始めたようでした。「そもそも、自分の生活を犠牲にし
てまで養育費を払い続けるなんて約束していない!」との一点張りで全く支払いをしなくな
りました。
④ 裁判所に相談したところ、親には扶養義務があるので当然請求はできるが、支払
額や支払日を決めた書面もないので、調停や裁判で決めていくしかないとのこと。
まずは元夫が裁判所の呼び出しに応じてくれるか、どのくらい時間がかかるのか?
弁護士さんはどうするか?費用は?など・・・不安がいっぱいです。
① 離婚の際は絶対書面にしておくようにと言われていたの
で、嫌がる夫を説得し、本やネットを参考に離婚協議書
を作成し、養育費の支払額、支払日などを記載のうえ、
双方が署名押印しました。費用がかかるし、メリットも
よくわからないので公正証書にはしませんでした。
② 書面にしたためか、最初は元夫も毎月きっちり支払いをし
ていました。しかし2,3年後、時々支払日が遅れたり、
金額が少なかったりすることが増えてきました。
③ 5年ほど経ったころ、ぴたっと支払いが止まりました。電話で連絡すると、「再婚して
子どももできるのでもう養育費は払えない。」とのこと。書面で約束している旨を言う
と、「いくら約束していても、払えないものは払えない。裁判でもなんでもしてくれ!」
と言われました。
④ 裁判所に相談したところ、きちんと書面があるので裁判ををして判決を取れば、元夫の会
社に給料の差し押さえができるとの説明を受けた。しかし、裁判となると、お金や時間が
かかるし、弁護士さんの費用もかかってしまう。そこまでしても、もし、回収できなかっ
たら赤字になってしまうし・・・諦めたほうがいいのか?
どうすればいいのかわかりません。
① 離婚することが決まったとき、離婚協議書は絶対に公正証
書にして欲しいと夫に頼みました。夫は嫌がっていました
が、「子どもの将来の為にきっちり親の責任を果たして」
と頼むとなんとか承諾してくれました。
② 少し費用はかかりますが、将来のための保険だと思い、行
政書士さんに頼んできちんとした離婚協議書を作成しても
らい、公正証書にしました。
③ 夫婦で公証役場に行った際には、厳粛な雰囲気で、夫も
しっかりこれから子どもの為に養育費を払っていこうという気持ちになっていたようでし
た。
また、支払いが滞ると、裁判を経ずにすぐ強制執行されるということにかなりプレッシャ
ーを感じているようでした。
④ それから何度か支払いが遅れたりすることはありましたが、2人の子どもが成人するま
で、きっちりと養育費を支払ってくれました。途中、再婚をして子どもができ、何度か支
払いが滞ったときには、公正証書で強制執行ができることを通知し、支払いを促したりも
しました。結果的に、強制執行をすることはありませんでしたが、公正証書を作っておい
て本当によかったです。
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